音楽学校パロのあとがきと解説



 のあとがき

 『蜜蜂と遠雷』を読み返して演奏家パロをしたいなとパロを練っていたら出来上がりました。音楽科についてはかなり雰囲気で書いていますので悪しからず。

『Tzigane』
 アルマディンという太陽に焦がされて音楽の道を進むことを決めたモンデンキントの話。

 作品引用曲の『ツィガーヌ』はモーリス・ラヴェルのヴァイオリン狂詩曲でピアノの伴奏と共に演奏される。ヴァイオリン曲としては高難易度の類。

『La ronde des Lutins』
 ふらっと現れたアルマディンに突然初見伴奏を押し付けられたモンデンキントの話。モンデンキントはそこそこの精度でそこそこの伴奏を初見でもできる、かつ、あまり依頼を断らないので各方面から伴奏の依頼を受けがち。

 作品引用曲の『妖精の踊り』はバッジーニ作曲。『ツィガーヌ』同様、ヴァイオリンとピアノのための小品。モンデンキントが言及しているが、非常にテンポが速く、音が細かく、ワンパッセージごとにヴァイオリンの技巧が詰め込まれた、ヴァイオリンの演奏の技巧を見せつけるためのような曲。

 ちなみに英語タイトルは「The Dance of the Goblins」なので、この場合の妖精はフェアリーではなく小人らしい。

『Fantasia No.1 in A Major』
 アルマディンが校内で初めてラヴァンドを見かけた時の話。ただただ単純に音が好みだったらしい。
 アルマディンは高校編入かつほぼプロみたいな活動をしているので、学校に来ていないことも多い。対して、ラヴァンドは中等部からの持ち上がりなので、この二人の初対面は高校生になってから、という短編内に入りきらなかった小話がある。
 
 作品引用曲はテレマンの『12の幻想曲』(※日本版wikipedaだと「無伴奏フルートのための12のファンタジア」と題されている)の第1番。フルート単独の楽曲。

『Berceuse』
 普通に真面目に練習したい気分だったラズワルドと、ラズワルドのチェロの音色に深海を連想するパイロープの話。
 深海と鯨(52ヘルツの鯨)はラズワルドのキャラクターモチーフ。バッハの『無伴奏チェロ組曲』とかも似合いそう。

 作品引用曲はグリエールの『ヴァイオリンとチェロのための8つの小品』より『子守歌』。

 余談だが、この世界線のルサ兄妹は「相手のどこが好き?」と問われた時に、「音色が好き」と二人とも答えそう。

『きらきら光る』
 音大附属高校時代のミスラがピアノ専攻から調律専攻に移ってすぐくらいのときの話。

 ピアノ独奏のモーツァルトの『きらきら星変奏曲』は当時フランスで流行していた恋の歌を主題として、12の変奏がなされたもの。よく聞くと、微妙に童謡の『きらきら星』よりも主題の方が旋律の音数が多かったりする。